陰陽五行思想「五行」に注目◎算命学士が詳しく解説

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陰陽五行思想「五行」に注目◎算命学士が詳しく解説

東洋哲学・東洋思想の基本「陰陽五行思想」とは「陰陽道」と「五行(ごぎょう)」、それぞれの考え方が結合して誕生したものと前回の陰陽説についての記事でお伝えしました。今回は五行の方に注目して、同じく算命学士の調宮さんに解説してもらいましょう。

執筆占い師、調宮あお衣さん

陰陽五行思想の「五行」の意味

東洋哲学・東洋思想の基本である陰陽五行論の陰陽説では、全ての物事には必ず陰と陽があり、相反する2つのものによって1つの極(物事全体)が存在していると考えるというお話の続きをします。陰陽のバランスをみていくだけでも物事は整いますが、そこに“五行の知恵”を合わせる事により、更にスムーズな分類対処ができるようになります。

宇宙の全てを五つの元素に分ける(木火土金水)

宇宙の全てを五つの元素に分ける(木火土金水)

「五行説」もまた、宇宙に存在する全てのものは五つの元素に分けられると考えます。その五元素を陰陽に分類すると「陽の木・陰の木・陽の火・陰の火・陽の土・陰の土・陽の金・陰の金・陽の水・陰の水」の10種類の元素が生まれます。陰陽五行論は、この10元素の性質や関係性を基盤として“体系化”したものなのです。

五行説の起源

陰陽五行説は紀元前6世紀ごろにはあったのではと推測すると、陰陽五行説に自然の現象を当てはめたのはそれより後の時代という事になります。天文学でも日本で呼ばれている五惑星の名前は中国の五行説から付けられた、と書いているものが多いです。

五行説の「五」の起源については東西南北の四方に中央を加えたものという考え方と、肉眼で観察が可能な五つの惑星、五星(水星・金星・火星・木星・土星)に淵源があるとする考え方があります。真相は謎ですが、五行が先にあり、方位も星も五行に配当された説の方が有力かなと思います。

起源は中国?ペルシア?諸説あり

五行の意味合いを持つ言葉が初めて登場したのは、中国最古の経典「書経(しょきょう)」または「尚書(しょうしょ)」と呼ばれる書物でした。「書経」は漢の時代から儒学の必須アイテムだった「五経(易経・書経・詩経・礼記・春秋)」の内の一経です。紀元前、お釈迦様が生まれるよりもずっと昔から古代中国の人々は五行の知恵を持ち、学んでいた事が伺える記録です。

他には、五行の起源に関して中国固有のものではなく、ペルシアあるいはバビロニアにその起源があると指摘する外国の学者の説もあります。このように諸説ありますが、現在は五行は中国固有の思想と理解されています。

現代よりもはるかに研ぎ澄まされた感性を持った先人達は、学問としての研究とともに、自ら“自然界の現象”と向き合う中で、この世に満ちた五つの気を読み取り、その働きを理解していったのです。

五行のシンボル“五つの気”

五行には五種類の気のシンボルとして「木・火・土・金・水(もく、か、ど、ごん、すい)」が配当されています。

木=継続的に何かを成長させ、曲がったり伸びたりする気
火=熱や光で何かを変化させていく、上昇する気
土=何かを引きつけまとめていく、中心にある気
金=何かにぶつかって壊そうとする、攻撃の気
水=形を変えながら何かを吸収し、また生み出すような気

数字の「五」漢字の「行」の由来は?

五行の原初的な意味を見てみると、書経の中では、五行を「五材」と表現しています。人間が生活を営む上で絶対に欠かせない材料・道具が五つあり、それが「水火木金土」に象徴されるという内容です。その頃はまだ現在のように五行が万物を生み出す元素である、という感覚ではなかったようです。「五」を基本単位として、その組み合わせにより物事が成り立つという発想は、様々な史料に残っており、古代中国の人々が「五」という数字に込めた格別の思いをうかがい知る事ができます。

生活に役立てた五行思想

そして五行の「行」には、「めぐる」「巡りめぐって変化する」という意味や、「行う」「利用する」「使う」ことを指しています。いにしえの五行に関する解釈本に“五行とは天にありて五気流行し、地にありて民これを行用する”とあります。五行とは天上をめぐる五気を天が人に与えることで、人は五気を材料・道具として生活に役立てることができるという意味です。原初の困窮した生活や乱世の国政に、この思想が与えた救いの影響は計り知れないものでした。

中医学に濃く活かされている五行思想

配当表にあるように、人間の身体の機能も五行に分類されます。この五行の思想は中医学の基本理論です。

中医学に濃く活かされている五行思想

東洋医学では「病気を診るのではなく、病気になっているその人を診る」というのだそうです。内臓機能が互いに関連して身体が維持されている、という考え方です。現代医学のように心臓は心臓、肝臓は肝臓というように別々にとらえず、心身全体の関係の中で互いに助け合い、時には抑えながらバランスを取る関係性を重視します。多くの人達が対処療法だけではなく根本的な治療、バランス改善の効果を体感してきた事が中医学・漢方・薬膳・鍼灸治療等、中医学が必要とされ続ける一つの理由なのでしょう。

五行配当図

自然界の全てが五行に分類される一例です。

五行本能五徳季節方位五味五臓五腑五星
守備肝臓胆嚢木星
伝達心臓小腸火星
引力季節の変わり目中央脾臓土星
攻撃西肺臓大腸金星
習得鹹(かん)腎臓膀胱水星

星の名前と五行

星の名前と五行

少しかたい話が続きましたので、ここで私たちに馴染み深い五つの惑星と五行について触れてみます。五行説が発展していた頃、肉眼で確認できる惑星もちょうど五つでした。この宇宙のシンボルにも五行が配当されることになります。

太陽の周りを忙しく動く惑星は水の要素で「水星」、金色に美しく輝く惑星は「金星」、赤く輝く星は「火星」、動きが遅く土の要素で黄色に輝く惑星は「土星」、諸説ありますが12年(干支ひと回り)かけて太陽を一周する星は、大木に年輪が刻まれる周期と同じことから「木星」と名付けられました。

西洋では五惑星にローマの神々の名前が付けられています。由来は全く違うものなのに意味合いに多くの共通点を感じられるのも、宇宙の繋がりの現れかもしれません。

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相生と相剋について

五行がめぐる流れが生む影響の代表的なものに「相性(そうしょう)」「相剋(そうこく)」があります。

相生と相剋について

相生の意味と関係

お互いを助け合う相生関係とは→「木が燃えて火を起こす」→「火が燃え尽きて灰(土)になる」→「土から金(鉱物)が生まれる」→「金は冷えると水(水滴)をつくる」→「水のあるところに木が育つ」、という流れの中で、生み出し生み出される関係です。「相生」は「相性」の語源でもあります。

▼相性はお互いが助け合い、一方方向へ

▼相性はお互いが助け合い一方方向へ

相生は自然界に存在する「木火土金水」の間に、お互いが助け合う関係があり、そこに循環理論が働いているという考え方です。相生は必ず一方方向に巡ります。

相克の意味と関係

お互いを剋し合う(傷つけ合う)相剋関係とは→「木は土の養分を吸い、根は土に割り入る」・「土は水を濁らせ、水をせき止める」・「火は熱で金を溶かす」・「水は火を消す」・「金物は木を切る」、という相対関係です。自然界では図の矢印のように一方方向への働きかけですが、これを人間関係に当てはめると「相」という通り、お互いへの働きかけになります。図の→が⇆になるイメージです。

▼相剋はお互いを剋す関係

▼相剋はお互いを剋す関係

相剋はお互いを剋す関係です。「剋す」とは、争う・傷つける・鍛える、という意味です。矛盾する二つのものが相対し、抑制します。

「相生」と「相剋」成功に必要なのは?

相生関係はゆるやかで穏やかな関係です。それだけに「相生」の助け合いだけだと、人の成長も物事の発展も遅くなります。一方で、相剋関係が働くと「木」が根を張ることで土砂崩れが起きにくくなり、「土」が積み上がることで水の流れを変え洪水を防げます。「火」が金を溶かす事で鉱物は鋭く形を変え、役立つ道具になり、「水」が火を消す事で広がりすぎた炎を制御できます。そして「金」が木を切る事で木は形を変え役立つ材料として活きるのです。

「相生」と「相剋」成功に必要なのは?

人に置き換えると、相剋の働きかけが成長のスピードを上げ、スキルアップに必要なものだという事が分かります。自分にとっての成功が何であろうと、助けられることも、痛い経験も、どちらも表裏一体として人生には必要な事なのだと、先人達は自然界から学んでいました。「促進作用を示す相生」「抑制作用を示す相剋」の循環によって、自然界はバランスという意味である中庸(ちゅうよう)が保たれ、人は成長していると言えるのです。

比和について

「比和(ひわ)」とは同じ気の組み合わせです。同じ気が重なると、その気質が強くなります。人間関係では、同じ気質で分かり合えるため、力を合わせて倍以上の力を発揮できる相手になるか、似ているがゆえに、同族意識が過剰になり反発し合うか、のどちらかになります。

占いから見る「五行」とは?

命占(めいせん)といわれる「生年月日」で占いをする方法は、ほとんどが生まれた日の「気質」の作用を基礎理論としています。中国発祥の占術である算命学や、九星気学等はその生まれた日の気質に当然ながら「陰陽五行」の気質を大きな基盤の一つとして採用しています。

占いから見る「五行」とは?

今日は木の気が強いようだ、昨日は水の気が多くて火の気が弱かった、ということは、明日は火の気が強めに来るだろう。そんな風に先人達は目に見えないところまで五行のエネルギーを研究し、毎日の五行の気のバランスに一定の周期の法則があることを発見し、「干支暦(かんしれき)」という暦(カレンダー)まで作りだしたのです。算命学もこの干支暦から生まれた日の気質を計算し、今日世の中に巡っている気質との関係性を読み解き、現状や今後を占います。

私たちは誰もが生まれた瞬間、その日の気質をまっさらな身体に吸い込んで産声をあげ、人生をスタートさせます。算命学では「終わりよければ全てよし」という考えはなく、「生まれた日」=「物事が始まった日」を何よりも大切にします。

五行に敵なし

五行の中に敵なし

いかがでしたか?陰陽五行説が単なる統計学や分類学ではなく、自然のバランスの強さと美しさを称えていることが、私が算命学に惹かれ続ける大きな理由の一つです。人間も自然の一部として、全ての人に存在する意味と使命があります。出会う人達との関係性もそうです。

例えば私が自然体の自分でいることで、他の誰かを傷付けたとしても、私はその人の敵ではなく、私がずっと理解してもらえずに辛かったとしても、その人は私の敵ではないのです。そう言いながら、全てをそんな風に落とし込むには、まだまだ修行中であります。

「五行の中に敵はいない。」

初めて算命学を習った日に、一番心に残った先生の言葉です。陰と陽、天から与えられた五つの材料と道具。受け継いできた時間のエネルギー。その全てを自分の為に使うことで、繋がる人達も、周囲に起きる自然現象も輝き始めます。夢を叶えること、愛情のこと、お金のこと、健康のこと、勝負のこと、ぜひ大いに活用し、自己実現の扉を何度でも開き、運命を作りだして行きましょう。その為に必要な鍵とタネは、間違いなく今その手の中にあるのです。